Ayers Rock 2022

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Happy New Year from Ayers Rock

オミクロン株が猛威を振う中、私達は2022年を迎えました。皆さんは2022年の幕開けを、どの様に過ごされたのでしょうか?

今年最初のブログでは、コロナ感染者が急激に増加して、大混乱に陥っているブリスベンの様子をお伝たいと思います。

私の住むクイーンズランド州では、長期に渡り州境を閉鎖して、コロナの封じ込めに成功してきました。しかし昨年末、ワクチン2回目接種率が一定の基準を満たした為に、大幅に規制を緩和し、州境を超えた往来が容易に出来る様になりました。長い間会えなかった家族や友人と、久々にクリスマスを一緒に過ごそうと、他州から大勢の人々がクイーンズランドに入州しました。州政府もこれを機に、ある程度コロナ感染者が増加する事は想定していたわけですが、予想を上回る強力な感染力で、感染者数は一気に増加、クイーンズランド州は突如として大混乱に陥ってしまいました。

クイーンズランド州では、昨年暮れまで、新たな感染者数ゼロという日が長らく続いていました。ところが、今日の時点(1月14日)で、一日の新たな感染者数は23,630名、死亡3名を記録しています。実際コロナに感染していても、Antigen Test kit (抗体検査キット)はどこの薬局でも売り切れ、PCR チェック会場も長蛇の列。実際の感染者数はこの数字よりもはるかに多いものと考えられます。これまでコロナに感染するなど、まるで他人事の様に感じていたクイーンズランドの人々ですが、同じ職場や学校、家族、友人の中にコロナ感染者が次々と発生し、自らも感染するケースが現実となり、コロナの波が一気に押し寄せてきたのです。

州境がオープンした事によってフライト数も増え、航空業界もかつての活気を取り戻せるのではという期待が膨らみました。ところが、コロナ感染者数はうなぎのぼり。乗客、地上職員、乗務員、それぞれの職場、それぞれの家族へと、どんどん広がっていきました。コロナ感染者は勿論、濃厚接触者となった人達も一定期間の隔離をせねばならず、仕事を休まざるを得ない人々が大量に発生しました。これにより、あちこちで人手不足に陥り、どこの職場もてんてこ舞いです。私の会社を含め、大手航空各社も、大量の職員がコロナに感染したか、あるいは濃厚接触者となって隔離を余儀なくされ深刻な人手不足となり、フライトのキャンセルも相次いでいます。勿論、この状態は航空会社に限らず、病院でも、スーパーでも、カフェやレストランでも、どこの職場でも起きていて、社会全体が機能しなくなってしまいました。

これは昨日の近所のスーパーの様子です。御覧の通り、品物がありません。またまたトイレットペーパーが買えなくなってしまいました。トイレットペーパーだけではありません。飲料水や精肉、冷凍食品、パスタ、缶詰、ありとあらゆる品物が棚から消えてしまいました。流通、スーパーのスタッフの方々も、人手不足に陥っているのだそうです。シドニーの友人によると、シドニーはもっと深刻な状況だそうです。

検査キットも売り切れ、PCRテストの会場も長蛇の列で、自分がコロナに感染しているのかどうかすら調べられない状況です。ところが、オーストラリア連邦政府と、各州政府との方針に相違がみられたり、各州の入州規則、濃厚接触者及び感染者の隔離期間を縮めるなどの対策も日ごとにころころと変わる為、混乱は深まる一方です。一日も早くこの状況が落ち着いてくれることを祈るばかりです。

状況がここまで悪化する直前、私は2022年の幕開けを、エアーズロックで過ごしました。日中は連日40℃まで気温が上がります。元旦は朝早起きをして、エアーズロックを臨める高台へ初日の出を見に行きました。

ちょうど年末年始に、旅行代理店がチャーターしたエアーズロック便を担当することになったのです。お正月をエアーズロックで迎える事が出来たのは、大変幸運な事でしたが、ここまで辿り着くのも、実は大変な道のりだったのです。

クイーンズランド州から、エアーズロックのあるノーザンテリトリー準州に入州する際には、2度のワクチン接種済み証明書、入州フォーム、PCRテストでのコロナ陰性結果を提示しなければなりません。忙しいフライトの合間を縫ってPCRテストを受けに行くのは至難の業。しかも、クリスマス休暇の真っ只中で、PCRテスト会場も限られた所だけしかオープンしていませんでした。久々に州境が開放されたばかりで、PCR会場には大勢の人々が殺到し、長時間待たされることとなりました。出発までに結果が届くかどうかも、心配でなりませんでした。

無事に陰性結果も届き、いよいよ出発の大晦日を迎えました。2泊3日のツアーに参加する乗客の皆さんが、出発地点のサンシャインコースト空港に集合しました。総勢90名を予定していましたが、PCRチェックの結果が届かず、当日キャンセルしなければならない乗客が多数発生しました。荷物をまとめてサンシャインコースト空港までやってきて、出発寸前までPCRチェックの結果が届くのを待っている方々が多くみられました。中には、御主人には結果が届いたのに、奥様の方がまだ結果待ちで、やむを得ず出発を断念しなければならない御夫婦もいらっしゃいました。最終的に乗客数は66名に減ってしまいました。楽しみにしていた旅行を、こんな形で寸前にキャンセルせねばならないとは、どんなに残念だったことでしょう!

エアーズロックに到着すると、検査官とのインタビューを得て入州。やっとたどり着いたものの、滞在中は毎日検査キットを使ってホテルで陰性チェックをしなければなりませんでした。

お正月のたった2日間をエアーズロックで過ごす為に、これだけの時間と労力を要するとは!2022年の幕開けは、大混乱とともにやってきました。まだまだ試練は続きそうですが、なるべくストレスをためずに、どんな状況にもうまく順応して、出来る範囲で毎日を平和に、楽しく過ごしていきたいものです。どうぞ皆さん、くれぐれもお身体に気をつけて、御自愛下さい。