Brisbane Olympic 2032

Australia
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スポーツがもたらす感動

東京オリンピック直前の世論調査では、8割超の日本国民が開催に反対していたにもかかわらず、7月23日にとうとう東京オリンピックが開催されました。こちらオーストラリアでも、世界中で感染力の強いデルタ株が猛威を振う中で、果たしてオリンピックを決行出来るのだろうかと、反対意見や疑問を持つ人々が大半を占めていました。

私個人的にも、オリンピックが開催される事を大変心配していました。ところが、いざオリンピックが開幕すると、連日日本チームの目覚ましい活躍ぶりに、会社の定期試験勉強にも身が入らず、試合中継にすっかり釘付けになっています。私達海外在住の日本人にとって、日本選手の活躍は何よりの励みとなります。少し大袈裟ですが、自分達も日本を代表してアウェイで頑張っているんだという自負が、心のどこかにあるのかも知れませんね。日本チームがメダルを獲得し、日の丸が掲揚され、君が代が流れると、非常に感慨深いものがあり、胸がジーンと熱くなります。東京オリンピックは一年延期になった上、今年に入ってからも開催が危ぶまれ、アスリートの皆さんは集中力を維持するのに大変苦労されたと思います。コロナ禍での様々なハンディーを乗り越えて、全力で競技に挑むアスリートの皆さんが私達に与えてくれる感動は、計り知れません。

オーストラリアも、言わずと知れたスポーツ大国。最初は開催に懐疑的だったオージーも、いざオリンピックが始まると、オーストラリア代表選手の活躍を大いに楽しんでいます。

しかしながら、拡大する新型コロナ感染者の数に、たちまち現実に引き戻されてしまいます。オリンピアンの活躍の裏で、今日は日本全国の新規感染者が初めて一万二千人を超え、東京都でも新たな感染者数が四千人以上となり、過去最大数を記録しました。

オーストラリアでも、デルタ株の新型コロナ感染者が増加し、シドニーではロックダウンが続いています。私の住むブリスベンも、今日午後から4日間の短期ロックダウンに入りました。

今、世界中の人々が、先行きの見えない不安な毎日を送っています。新型コロナウイルスが発生して以来この19ヵ月、私達の日常生活は大きく変わりました。自由が奪われ、感染、失業、将来への不安、コロナ禍がいつ終息するのか予想すらつきません。もう発生から19ヵ月も経つというのに、いまだに決定的な根絶方法がありません。人々は長引く不安とロックダウンで精神的にも疲れ切っています。コロナ感染が拡大する中での東京オリンピック開催が、果たして正解と言えるのかどうかはわかりませんが、一時的であっても、アスリートの皆さんが全力で競技に臨んでいる姿を見て、人々は興奮し、感激し、勇気をもらいました。改めてスポーツが人々にもたらす感動の大きさを実感しました。

東京オリンピックの開催と同時に、2032年のオリンピック開催地が、私の住むブリスベンに決定しました。ブリスベンで生まれ育った私の友人や同僚達は大喜びです。今からオリンピックがブリスベンにやってくるのを心待ちにしています。私も少々気が早いですが、ブリスベンで日本チームの応援に行くのを楽しみにしています。その時までには、コロナ禍が終息し、選手も観客も大いにオリンピックを楽しめる様になっていることを祈るばかりです。

このご時世に、私達に感動を与えてくれた東京オリンピックの代表選手の皆さんに、心からエールを送りたいと思います。